2014/08/20

平成26年改正著作権法「電子書籍に対応した出版権の整備」(平成27年1月1日施行)に伴う改正政省令が公布

「著作権法の一部を改正する法律」(平成26年法律第35号、平成26年5月14日公布、一部の規定を除いて平成27年1月1日施行)の施行に向けて、必要な政令(著作権法施行令)、省令(著作権法施行規則)、それぞれの改正が、平成26年8月20日の官報号外第185号にて公布された。

出版権としてCD-ROM等による出版についての権利やインターネット送信による電子出版についての権利が新たに規定され、それに伴う出版権の制限規定が整備されたこと等から、所要の規定の整備を行ったもの。具体的な内容は以下の通り。

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1.権利制限関係の規定の整備
○改正後の著作権法第86条第3項等により、出版権の制限に関し、新たに、出版権の目的となっている著作物の公衆送信について著作権の制限規定を準用することとされたこと等から、同項等で準用している当該著作権の制限規定のうち、政令・省令に委任している規定について、現行規定と同様の規定の整備を行う。
・令第2条第1項(視覚障害者等のための複製等が認められる者)
・令第2条の2第1項(聴覚障害者等のための複製等が認められる者)
・令第7条の2(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等について講ずべき措置)
・令第7条の5(送信可能化された情報の収集、整理及び提供の基準)
・規則第4条の2(著作物の表示の大きさ又は精度に係る基準)
・規則第4条の4(送信可能化された情報の収集を禁止する措置の方法)

2.出版権の登録の申請書に係る記載事項の見直し
○出版権の登録の申請書に「対価の額又はその支払の方法若しくは時期の定め」(令第32条第2号)を記載することが、出版権者が出版権の登録を躊躇する大きな要因となっているとの指摘があることを踏まえ、対価の額等を出版権の登録の申請書に記載すべき事項から除外し、出版権登録申請書の様式(規則別記様式第七)について、所要の整備を行う。
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なお、改正点2に関連して、「出版権の登録の申請件数」は、昭和46年度~平成24年度の合計で293件に過ぎず、近年でも平成20年度2件、平成21年度0件、平成22年度5件、平成23年度3件、平成24年度0件とほとんど利用されていないのが実態である。(平成25年7月29日開催の「文化審議会著作権分科会出版関連小委員会(第6回)」参考資料「出版権に係る登録制度の概要」[PDF]より)

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【関連リンク】

■官報インターネット版

○著作権法施行令の一部を改正する政令(二八五)
https://kanpou.npb.go.jp/20140820/20140820g00185/20140820g001850012f.html

○著作権法施行規則の一部を改正する省令(文部科学二四)
https://kanpou.npb.go.jp/20140820/20140820g00185/20140820g001850050f.html

*30日経過後は https://kanpou.npb.go.jp/old/index.html から、平成26年8月20日の官報号外第185号を選択してください。

■電子政府の総合窓口(e-gov):パブリックコメントの結果

○著作権法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集の結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000700&Mode=2

○著作権法施行規則の一部を改正する省令について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000708&Mode=2

■文化庁

○平成26年通常国会 著作権法改正について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/26_houkaisei.html

○平成25年7月29日開催文化審議会著作権分科会出版関連小委員会(第6回)参考資料「出版権に係る登録制度の概要」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/h25_06/pdf/sanko.pdf

以上

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2014/01/12

自民党政調、文部科学部会で「電子書籍に対応した出版権の整備について」等

自由民主党サイトの「会議情報」に以下の予定が掲載されている(2014年1月12日21:45時点)

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2014年01月16日(木)
◆政調、文部科学部会
 13時30分(約30分) 702
 議題:1.第186回国会(常会)文部科学省提出予定法案について
    2.電子書籍に対応した出版権の整備について
    3.「教科書改革実行プラン」を受けた教科用図書検定基準の改正について
    4.その他
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現在までの状況の整理として、当ブログの1月9日付記事も参考にしていただきたい。

●自由民主党:会議情報
https://www.jimin.jp/activity/conference/

●当ブログ:出版者への権利付与の著作権法改正案は紙と電子一体の「総合出版権」に(2014/01/09 19:20)
http://blog.chizaineta.com/2014/01/post-574b.html

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2014/01/09

出版者への権利付与の著作権法改正案は紙と電子一体の「総合出版権」に

共同通信記事「出版権、電子書籍にも拡大 文化庁が法改正で方針」によれば、文化庁は、海賊版対策などを目的とする出版者への権利付与の著作権法改正について、「出版権」の対象を紙の出版物だけでなく電子書籍を含める改正とする方針を固め、通常国会に提出予定、経団連提案の紙の出版権とは別の「電子出版権」は新設しない方向とのこと。

出版者(社)への権利付与については、文化審議会著作権分科会出版関連小委員会で議論されてきたが、「著作隣接権」ではなく「出版権」の改正で対応する方向となった後も、紙媒体で出版と電子出版に係る権利の一体化の是非について、一体設定を求める出版社側委員と、別設定を求める著作者側委員と経団連委員、との構図となっていた。また、中間報告のパブリックコメントでも同様であった。

平成25年12月20日開催の同小委員会において、報告書案[PDF]が了承されていたが、紙媒体で出版と電子出版に係る権利の一体化の是非、については同20~24頁において、両論併記の形となり、「電子書籍に対応した出版権の立法化に当たっては、小委員会で示された関係者の意見や出版・電子出版の実態、出版者の役割等を考慮することが必要であると考えられる」とされていた。

一方、「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟(電子書籍議連)」は、出版社側と同様に紙出版と電子出版を一体化した「総合出版権」を基本方針とし(同議連事務局長の石橋みちひろ議員のブログ記事より)、また同議連の馳浩議員も、文化庁担当との打ち合わせなどにおいて、同議連の方針と文化庁提出法案が合わない場合には、議員修正も辞さない旨を伝えてきた模様。(馳浩議員ブログ記事 12月3日12月6日等)。

前記小委員会報告[PDF]23頁に記載されたように、要は契約をきちんとすることが大事ということになるのではあるが、法改正の行方、またどのような形になるにせよ改正後の実務運用は注視されるところである。

●出版権、電子書籍にも拡大 文化庁が法改正で方針(共同 01/09 17:18)
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014010901001570.html

●文化審議会著作権分科会出版関連小委員会
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/index.html

●文化審議会著作権分科会出版関連小委員会報告書(案)(*平成25年12月20日の小委員会で了承されたされたもの)[PDF]
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/h25_09/pdf/shiryo_1.pdf

●石橋みちひろ議員ブログ:「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」第3回総会開催~基本方針固める
http://blog.goo.ne.jp/i484jp/e/c9df6de9bd461bf8b84b06c8490b88e5

●馳浩議員ブログ
12月3日 http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11717393198.htm
12月6日 http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11720648854.html

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著作権分野の海外協力、アジア地域における音楽著作権の集中管理、フランスにおける書籍電子利用法の運用状況(文化庁:文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)議事録)

文化庁は、平成25年11月15日に開催された文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回の議事録をサイトに掲載した(資料は既に掲載済み)。

WIPO等の最近の動向(視覚障害者等の発行された著作物へのアクセスを促進するためのマラケシュ条約(仮称)、伝統的文化表現の保護に係るテキスト)、著作権分野の海外協力、アジア地域における音楽著作権の集中管理(JASRAC渡辺副本部長)、フランスにおける書籍電子利用法の運用状況(井奈波朋子弁護士)、等についての発表と質疑応答が行われている。

●文化庁:文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)議事録
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/kokusai/h25_02/gijishidai_131115.html

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2014/01/08

公正取引委員会競争政策研究センター「電子書籍市場の動向について」の講演記録を掲載

公正取引委員会競争政策研究センターは平成25年11月15日(金曜)に開催した第34回公開セミナー「電子書籍市場の動向について」の講演記録を1月8日付でWEBサイトに掲載した(当日資料は既に掲載されている)

平成25年6月に公表した共同研究報告書を基に、その後の動きも踏まえながら、我が国の電子書籍市場の発展経路について予測するとともに,競争政策の観点からの着眼点について、大橋弘京大学大学院経済学研究科教授、泉克幸京都女子大学法学部教授、浜屋敏富士通総研経済研究所上席主任研究員らが講演したもの。

○公正取引員会:第34回公開セミナーの開催について
http://www.jftc.go.jp/cprc/koukai/seminar/h25/34_notice.html
★↑リンク先に「3 講演資料」「4 講演記録」として掲載されている。

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2012/06/12

国会図書館「フランスにおける電子書籍の価格規制―電子書籍と再販制度について―」

国立国会図書館:外国の立法No.252(2012年6月:季刊版)【フランス】フランスにおける電子書籍の価格規制―電子書籍と再販制度について― [PDF 850KB] http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3497224_po_02520011.pdf?contentNo=1

電子書籍を再販制度の対象としたフランスの「電子書籍価格規制法」を解説したもの。法律の背景(ラング法の成果、音楽市場における価格支配)と、電子書籍価格規制法の概要(同法の適用対象、発行者の義務、電子書籍の販売条件、発行者と小売業者の関係、等)と、同法の抄訳。

なお、日本では、現在のところ、電子書籍は著作物再販適用除外制度の対象とはならないとされている。

○公正取引委員会:よくある質問コーナー(独占禁止法関係)のQ14
http://www.jftc.go.jp/dk/qa/index.html#Q14
[引用開始]--------------------------
Q14 電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象となりますか。
A. 著作物再販適用除外制度は,昭和28年の独占禁止法改正により導入された制度ですが,制度導入当時の書籍,雑誌,新聞及びレコード盤の定価販売の慣行を追認する趣旨で導入されたものです。そして,その後,音楽用テープ及び音楽用CDについては,レコード盤とその機能・効用が同一であることからレコード盤に準ずるものとして取り扱い,これら6品目に限定して著作物再販適用除外制度の対象とすることとしているところです。
 また,著作物再販適用除外制度は,独占禁止法の規定上,「物」を対象としています。一方,ネットワークを通じて配信される電子書籍は,「物」ではなく,情報として流通します。したがって,電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象とはなりません。
[引用以上]--------------------------

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2012/06/08

電子書籍納入法案が衆院通過(時事 06/08 13:21)

電子書籍納入法案が衆院通過(時事 06/08 13:21) http://www.jiji.com/jc/zc?k=201206/2012060800053&g=soc

国立国会図書館への納入義務を定める対象に国立国会図書館法に対象として電子書籍などオンライン資料を加える改正案を全会一致で可決し、参議院に今国会中成立見通し。施行来年7月。市販電子書籍は発行者補償額未定のため当面納入義務免除。

●納本制度審議会|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/deposit_council_book.html

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2012/06/07

流対協:文化庁による出版者への権利付与ヒアリングについての要望

中小出版社97社で組織する出版流通対策協議会(流対協)は、文化庁が5月21日に行ったとされる出版者への権利付与の是非に関する関係業界ヒアリングについて、同協議会に対しても行うよう6月6日付で同庁に要望したと発表

同協議会は、これまで出版者への権利付与について、著作物の伝達者の権利である著作隣接権として保護されることが必要との主旨から、日本書籍出版協会とは異なる中小出版社が組織する出版業界団体として要望をしてきたとしている。

●文化庁による出版者への権利付与ヒアリングについての要望[2012-06-06 21:06:27]
http://ameblo.jp/ryuutai/entry-11270732163.html
●「印刷文化・電子文化の基本整備に関する勉強会」への要望[2012-04-13 19:06:36]
http://ameblo.jp/ryuutai/entry-11222104322.html

●文化庁:電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/denshishoseki/index.html

●文字・活字文化推進機構:印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会
http://www.mojikatsuji.or.jp/benkyounaka.html

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2012/05/15

出版社、本を電子化しやすく 政府が法改正検討(日経 05/15 00:30)

出版社、本を電子化しやすく 政府が法改正検討(日経 05/15 00:30) http://s.nikkei.com/JBbS2Z

“政府の知的財産戦略本部(本部長・野田佳彦首相)は、電子書籍で読める作品の数を増やすため、出版社に著作権に準じた権利を与える方針だ。著作権使用料という新たな収入源が生まれれば、出版社はこれまで紙でしか読めなかった作品の電子化をもっと進め、利用者にとっても便利になると期待している。”

これは本日の知財本部のコンテンツ専門調査会で話に出ると思われます http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents_kyouka/2012/dai10/kaisai.html

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2012/03/08

文化庁:文化庁月報平成24年3月号(No.522) 連載「著作権トピックス」電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議

文化庁:文化庁月報平成24年3月号(No.522) 連載「著作権トピックス」電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議 http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2012_03/series_07/series_07.html

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