« 著作権分野の海外協力、アジア地域における音楽著作権の集中管理、フランスにおける書籍電子利用法の運用状況(文化庁:文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)議事録) | トップページ | 日本知的財産協会:米国特許法改正(AIA)の概要(第5版) »

2014/01/09

出版者への権利付与の著作権法改正案は紙と電子一体の「総合出版権」に

共同通信記事「出版権、電子書籍にも拡大 文化庁が法改正で方針」によれば、文化庁は、海賊版対策などを目的とする出版者への権利付与の著作権法改正について、「出版権」の対象を紙の出版物だけでなく電子書籍を含める改正とする方針を固め、通常国会に提出予定、経団連提案の紙の出版権とは別の「電子出版権」は新設しない方向とのこと。

出版者(社)への権利付与については、文化審議会著作権分科会出版関連小委員会で議論されてきたが、「著作隣接権」ではなく「出版権」の改正で対応する方向となった後も、紙媒体で出版と電子出版に係る権利の一体化の是非について、一体設定を求める出版社側委員と、別設定を求める著作者側委員と経団連委員、との構図となっていた。また、中間報告のパブリックコメントでも同様であった。

平成25年12月20日開催の同小委員会において、報告書案[PDF]が了承されていたが、紙媒体で出版と電子出版に係る権利の一体化の是非、については同20~24頁において、両論併記の形となり、「電子書籍に対応した出版権の立法化に当たっては、小委員会で示された関係者の意見や出版・電子出版の実態、出版者の役割等を考慮することが必要であると考えられる」とされていた。

一方、「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟(電子書籍議連)」は、出版社側と同様に紙出版と電子出版を一体化した「総合出版権」を基本方針とし(同議連事務局長の石橋みちひろ議員のブログ記事より)、また同議連の馳浩議員も、文化庁担当との打ち合わせなどにおいて、同議連の方針と文化庁提出法案が合わない場合には、議員修正も辞さない旨を伝えてきた模様。(馳浩議員ブログ記事 12月3日12月6日等)。

前記小委員会報告[PDF]23頁に記載されたように、要は契約をきちんとすることが大事ということになるのではあるが、法改正の行方、またどのような形になるにせよ改正後の実務運用は注視されるところである。

●出版権、電子書籍にも拡大 文化庁が法改正で方針(共同 01/09 17:18)
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014010901001570.html

●文化審議会著作権分科会出版関連小委員会
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/index.html

●文化審議会著作権分科会出版関連小委員会報告書(案)(*平成25年12月20日の小委員会で了承されたされたもの)[PDF]
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/h25_09/pdf/shiryo_1.pdf

●石橋みちひろ議員ブログ:「電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟」第3回総会開催~基本方針固める
http://blog.goo.ne.jp/i484jp/e/c9df6de9bd461bf8b84b06c8490b88e5

●馳浩議員ブログ
12月3日 http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11717393198.htm
12月6日 http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11720648854.html

|

« 著作権分野の海外協力、アジア地域における音楽著作権の集中管理、フランスにおける書籍電子利用法の運用状況(文化庁:文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)議事録) | トップページ | 日本知的財産協会:米国特許法改正(AIA)の概要(第5版) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13284/58913965

この記事へのトラックバック一覧です: 出版者への権利付与の著作権法改正案は紙と電子一体の「総合出版権」に:

« 著作権分野の海外協力、アジア地域における音楽著作権の集中管理、フランスにおける書籍電子利用法の運用状況(文化庁:文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)議事録) | トップページ | 日本知的財産協会:米国特許法改正(AIA)の概要(第5版) »