« NHKが講談社に損害賠償請求「映像化の許諾を白紙撤回されドラマ中止」 | トップページ | 「違法ダウンロード刑事罰化」の施行、周知は文化庁が担当 »

2012/06/22

知財戦略本部は「違法ダウンロード刑罰化」を静観した模様

今回の著作権法改正のうち衆議院修正による「違法ダウンロード刑事罰化」については、政府の知的財産戦略本部(本部長は総理大臣)で毎年策定する「知的財産推進計画」には含まれていなかったものです(過去に検討対象とされたことはあるものの)。

で議員立法、あるいは内閣提出法案に対する議員からの修正案、として出てきた今回の「違法ダウンロード刑事罰化」については、同本部は基本的に静観の態度をとってきたようです。
専門調査会の委員の中でもおそらく意見が割れるものであるにせよ「政策決定メカニズムとしてどう考えておけばいいのか我々サイドでも検討しておかなければいけないのではないかと考える」程度で済ませてよいものだったのか、疑問が残ります。

知的財産戦略本部:コンテンツ強化専門調査会(第10回)議事録(平成24年5月15日開催)より引用
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents_kyouka/2012/dai10/gijiroku.html

[引用開始]-------------------------------------------
○角川委員
 私は「出版者の権利」の獲得の問題についてちょっと申し上げたいのですが、今日の日経新聞では「隣接権」という言葉が使われていて、既成の著作権法の中の枠組みに入っていくような言葉遣いをされているような気がします。今、川上さんもおっしゃったようにこのまま従来の著作権法の枠組みの中で考えていくと、海外の巨大なIT事業者にばかり利して日本のISPがますます苦境に立つという形になってしまうことも恐れているのです。  私は言ってみると、隣接権という言葉にとらわれないで、新しい「電子書籍権」ということをイメージしております。それによって、出版者が著作者とインターネットサービスプロバイダーの人との間に立って、違法な著作権のダウンロードがされないとか、模倣品が出ない、海賊版が出ないようにするために出版者が義務を負うという内容であるべきですし、逆に海外勢に対しては、YouTubeだとか、中国のネットのサービス事業者の人たちが日本で著作者の了解もなしに電子書籍化した場合にはシャットダウンできると。日本のマーケットに入ってこさせないという条文があるべきだなと思っているのです。是非その辺を文化庁で考えてもらいたいと思うのです。
 新しい枠組みは立法の上で時間がかかるのではないかといって出版界で心配している人もいるのですけれども、世界が今、電子書籍の法律はどうあるべきかと迷っているところだと思いますので、「世界標準」になるような部分があっていいのではないか。例えば外務省の方からお聞きしたことがあるのですが、ACTAの推進については、映画館盗撮防止法が非常に日本の立場を強化したという話を聞いたことがあります。これはまた、アメリカや先進国から映画館盗撮防止法も日本が率先してつくったことがとても良かったと言われました。つまり、ある種の日本が世界に先行した著作権法の事例になったのだと思うのです。
 そういった面では、今回のせっかくの出版者に権利を付与するという検討の中で、海外のネット、海賊版を平気でするような人たちを日本のマーケットに入れさせないということを意図すれば、これは日本の健全なIT事業者をむしろ育成することができる法律になるのではないかと思っていまして、その辺の検討を、是非既成の著作権法の中の枠に入れることにこだわらず考えてもらったらありがたいなと思いました。

○中村会長
 ありがとうございます。
 この著作権法改正については、報道によれば、海賊版ダウンロード違法化というものも盛り込まれるかのように書かれているのですけれども、その辺りの動きは何かありますか。

○永山課長
 今、お話に出たのは違法ダウンロードにつきまして、現在、21年の著作権法改正で違法サイトからダウンロードする行為については刑事罰のない形の違法化というのを行いましたが、それについてはやはりネット上の違法利用についてまだまだ懸念すべき状態が続いているということから、議員修正という形で刑事罰化ができないかということで、今、与野党の方で協議が進められている状況だと承知しております。

○中村会長
 その件について、政府としてこの場で議論をしたというものではありませんが、国会の方でそのような立法措置がなされるということとなると、政策決定メカニズムとしてどう考えておけばいいのか我々サイドでも検討しておかなければいけないのではないかと考える次第です。
[引用以上]-------------------------------------------

|

« NHKが講談社に損害賠償請求「映像化の許諾を白紙撤回されドラマ中止」 | トップページ | 「違法ダウンロード刑事罰化」の施行、周知は文化庁が担当 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13284/55062141

この記事へのトラックバック一覧です: 知財戦略本部は「違法ダウンロード刑罰化」を静観した模様:

« NHKが講談社に損害賠償請求「映像化の許諾を白紙撤回されドラマ中止」 | トップページ | 「違法ダウンロード刑事罰化」の施行、周知は文化庁が担当 »