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2011/07/01

7月1日「弁理士の日」記念-統一テーマ「弁理士にできること」

【序】本記事の趣旨
 この記事は昨年に引き続き「弁理士と弁理士試験のブログ-弁理士試験の勉強法-」主宰者の弁理士@benrishikozaさんの呼びかけにより、7月1日「弁理士の日」記念記事として掲載するものである。
 昨年は、7月1日「弁理士の日」記念:弁理士小ネタ話4本、と題して、ちょっとしたトリビアを書いた。今回は東日本大震災の復興支援に絡めて「弁理士にできること」が統一テーマとなっている。私自身は、弁理士ではなく、弁理士志望でもないので「できること」という視点にはなりづらい。よって、「できること」ではなく「やってほしい」(と世間や国に思われているであろう)ことという書き方になる。

【1】これからの弁理士に求められるもの
 政府の「知的財産推進計画2011」[PDF]においては、弁理士に関して以下の事項が盛り込まれている。
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・グローバル・ネットワーク時代に対応した弁理士の育成
 弁理士のグローバルな活躍を推進するため、弁理士法の見直しを視野に入れて、弁理士業務の現状を検証・評価し、必要な措置を講ずる。(短期・中期)(経済産業省)

・弁理士の知財マネジメント能力の向上
 弁理士法で規定されている継続研修制度の活用を含め、弁理士に対し、国際標準化を含む知財マネジメント能力を強化する取組を推進する。(短期)(経済産業省)
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 また、先の特許法等の一部改正、不正競争防止法の一部改正の国会審議、衆議院経済産業委員会においても、記事「弁理士のあり方、試験制度見直しの衆議院経済産業委員会質疑」で紹介した質疑応答があった。(委員の国会議員の質問は、日本弁理士政治連盟の陳情を受けた部分もあるようだが)

 これらの課題に、日本弁理士会がどう取り組むんで行くかは「平成23年度事業計画」が、その基本方針と理解される。また、この事業計画でも言及されている弁理士試験制度については「弁理士試験に関するアンケート結果報告」等が参考になるだろう。

【2】東日本大震災からの復興に弁理士が果たすべき役割
 現在、日本弁理士会は「震災用特別相談窓口」を設けて、被災された方を対象に「知的財産に関する書類が消失した。」「特許等の手続、維持、管理ができなくなった。」など、特許、実用新案、意匠、商標などでお困り事への無料相談を行なっている。
 ただ、例示された事項だけではものたりないし、これらの役割はむしろ特許庁が主体になって取り組むものであろう。

 私が弁理士(日本弁理士会)に期待したいのは、まず1点目に中小・零細企業の技術流出の防止である。中小・零細企業の中には優れた技術を持ちながら、設備、金銭、人員等の問題で事業継続が困難であることも非常に多い。一時的に資金を捻出するためにその技術を大手企業や外国企業に売り渡してしまったり、優れた技術者を引き留めることができずに、という状況も起こるだろう。弁理士には、中小・零細企業が持つ優れた技術等を、それが特許権等を取得しているか否かに関わらず点検して、今後の再建に生かすべき道を示す、それが無理な場合でもより有利な条件でのライセンス、譲渡が行なわれるような活動を望みたい。

 二点目は、大学や研究機関に対する息の長い支援である。研究施設や設備などの再整備は文部科学省等を中心に、国や自治体が取り組むべき課題となろうが、ただでさえ、大学の知財人材が不足していることは知的財産戦略本部や文部科学省等でも指摘されてきたところである。ぜひ、弁理士には、大学の知的財産活動、産学連携に働きを望みたい。

 なお、日本弁理士会は、会員から募金により約1億円を日本赤十字に寄付している。また、弁理士の中には、弁理士の業務とは関係なく、被災地に重ねて足を運び、ボランティアとして泥のかき出し等に汗を流している方もいらっしゃることを付言しておく。

【3】コメンテーター弁理士がいれば
 知的財産に関する時事ニュースは非常に増えているが、報道の中には誤解や理解不足で、必要以上に妙な不安をあおる結果となっている記事が多いのも否定できない。最近は「中国が高速鉄道に関する特許の国際出願」が挙げられる。もちろん、日本側との技術契約の問題はあるが、まだ予備審査の段階でもあり、過剰に反応しすぎているきらいもある。
 日本弁理士会がコメントをすることは難しいだろうが、テレビや新聞で専門家としてコメントするのが、弁理士ではなく、弁護士ばかり、というのは寂しい。タレント化する必要はないが、「知的財産に関するニュース解説は弁護士ではなく弁理士」だ、と認識させるコメンテーター弁理士の登場を望みたい。

 なお、現総理の菅直人氏は弁理士である。関連エピソードは、「弁理士出身菅直人首相の知的財産関係発言@国会」、「菅直人首相の所信表明演説「特許事務所」「知的財産」の言葉が」「菅首相夫人が著書で弁理士菅直人誕生の経緯を語る」を参照。

以上

 

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コメント

お忙しい中、ご参加頂きありがとうございました。
私の求めていた通りの内容の記事を投稿いただきまして、思わず「これだ!」と膝を叩いてしまいました。
弁理士はもっと外部の意見に耳を傾け、また、自身のスキルと社会貢献に役立てるべきだと思っています。
今後とも、忌憚のないご意見を頂ければ幸いです。

投稿: ドクガク | 2011/07/02 07:19

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