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2010/04/17

東京都中小企業知的財産シンポジウム(2010/04/16)を聴講

昨日2010年4月16日(金)に開催された東京都中小企業知的財産シンポジウムを聴講した。

本シンポジウムは、中小企業が不況を乗り切るために、産産・産学の連携や国際化など、さまざまな企業戦略とそこにおける知財の果たす役割に関して、その解決策の提案、東京都知的財産総合センターのサポート体制など、会社を元気にするための情報を発信するとして開催されたものである。(公式サイトより)

実況を中心とした当方のツイートは、トゥギャッター(Togetter)にまとめたが(http://togetter.com/li/14858)、本ブログにも同内容(発言者名部分の重複等をカットしてある)を掲載する。なお、実況は当方の能力と作業の範囲内でのものであることをご承知おき願いたい。


==ここは私見。

本シンポジウムの独自採点としては100点満点で70点。
知財関係者から見ると物足りない面も多かったと思うが、参加者(中小企業が多いと思われるが)のうち知財を有効活用できていないう方にとっては、登壇者の企業、弁理士の実体験を踏まえた話は参考になったと思う。登壇者の企業、弁理士の方には、自社、自身の失敗事例も紹介してくださったこと、感謝申し上げたい。

残念な点の1点目。
対談、パネルディスカッションといいながら、実際には個別の発表に終始している時間が大部分であったこと。これは本シンポジウムに限らず、よく見られる事例と思われるが、それならば対談やパネルディスカッションという言葉にこだわる必要はないと思う。

残念な点の2点目。
本シンポジウムの開催趣旨は上記のとおりであるが、「東京都知的財産総合センターのサポート体制」に話が偏っていたように感じる。
特に外国出願助成金について利用を促す場面が多く見られたが、参加者の層は、吉田弁理士の言う外国出願について第一段階の層(外国出願について慎重であるべき層)ではなかろうか?
また、企業パネリストの方が、東京都の取り組みを評価しながらも、公的機関の縦割り、東京都以外の公的機関の利用についても、発言していたのが印象的であった。
最後の方では、モデレーターの上野氏から、東京都知的財産総合センターのメリットとして生島所長から聞いた話として「東京都知的財産総合センターには大手企業OBの相談員が多くいる。そこに相談していると言うと逆らえなくなる」という発言があったが、半分は冗談と取るとしても、そのような意識はいかがなものかと思う。

まぁ、この手のシンポジウムは当然主催者側の意図や思惑が入るものなので、当方もその苦労はわかるが、もう少しスマートにという感じはありました。

==私見終わり。

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東京都中小企業知的財産シンポジウ(2010/04/16)聴講メモ

■開会あいさつ(13:00~13:35)
 前田信弘氏(東京都産業労働局長)。
 本日の開催趣旨、東京都の知財への取り組み、中業企業知財活動への支援等について紹介。

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■基調講演(13:35~14:30):中小企業の活路を拓く! 逆境時代の羅針盤
 伊藤元重氏。東京大学大学院経済学研究科教授、総合研究開発機構(NIRA)理事長。

●伊藤氏
 経済を見るには3つの眼が必要。鳥の眼、虫の眼、いま一番重要なのは潮目変化を感じる魚の眼。そして潮目の変化の原因とスピードを虎悦必要がある。
 企業の生き残りの方法は3つ。第1は「もっと頑張る」(会場少笑)、高度経済成長時代を思い出して頑張る。
 2つめは競争相手を抹殺すること。生産や流通がフル稼働した場合の供給は国内の需要を大きく上回る。その調整は、倒産、合併、リストラと暗いイメージだが、生き残ることはできる。
 たとえば呉服、市場は大幅に縮小しているが、まじめにやっている友人の会社は生き残っている。いわく真面目にやっていただけ、競争相手がどんどん潰れていっただけとのこと。
 3つめの方法は差別化。*差別化の事例省略。余談で。4つめはお上に助けてもらう、5つめはやめちゃう(笑。
 ドイツは輸入も輸出もGDPの45%と日本の3倍、欧州市場での展開。日本も、中国、韓国の台頭は単に脅威ではなく、近隣に有望な市場ができたと考えるべき。
 いくつか事例の紹介。ユニクロのフリース、東海バネの試作品製作・小ロット製作、製薬業界等々。
 繰り返しまとめ。潮目の流れを読んでどう乗るか、小回りのきく中小企業の強みを発揮して欲しい。

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■対談(14:30~15:15)中小企業成功のカギ~「海外進出」「連携」と知財が果たす役割
 上野裕子氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部経済・社会政策部主任研究員
 生島博氏(東京都知的財産総合センター所長)。

●上野氏
 近年の海外進出と産産連携・産学連携についてのレポート。
 中小企業の海外進出状況。中小企業は輸出企業数の約6割を占めるが金額では4%。進出先は中国が突出、以下、タイ、米国。
 中小企業の海外拠点の機能は、中国・タイでは生産拠点、米国や韓国では販売拠点。
 日本の中小企業の海外進出の余地。日本の低成長は輸出依存が原因ではない、国際化できるかどうかの要因の一つは企業の生産性。生産性が高いにもかかわらず国際化していない企業が多い。
 中小企業の国際化へのきっかけは他者の影響と自社製品への自身が中心。国際化は生産性への効果がある。
 中小企業が国際化しない理由として、資金・人材の不足は大きな原因ではない。海外展開した中小企業のうち約15%や撤退・移転経験があり、撤退・移転した国では中国が突出。
 中小企業の撤退・移転理由は受注先・販売先の開拓が困難が一番で31%。
 産産連携・産学連携の必要性。ピラミッド型→メッシュ型。基礎研究→応用研究→試作・開発→製品化の「リニアモデル」から各々の時間的・空間的間隔が近接に。
 自社内での基礎研究~製品化までの完結→オープンイノベーション(産産連携・産学連携による時間・費用節減、コア技術への選択集中による国際競争力強化)
 オープンイノベーションも、インバウンド型(相互補完)からアウトバウンド型(協働による価値創出)へ展開。

●生島氏
 東京都知財総合センターの紹介。相談、セミナー、情報提供、弁理士マッチング、助成事業、知財戦略導入支援。本日のシンポジウムもその一環。
 海外での模倣被害の実態(特許庁2009年度模倣被害調査報告書による)、中国が問題。
 特許は公開される。コカコーラの例にもあるようにノウハウとの組み合わせも重要であり、当センターではそれらも踏まえた相談体制を取っている。
 (上野氏から海外出願費用の話を振られて)、外国外国特許118件、外国意匠2件、外国商標21件、外国侵害調査費用1件。会場には利用経験のある方は?→
 平成18年度からの統計で見ると、申請した企業の従業員数では2~5名の企業が一番多い、ぜひ利用してほしい。

●生島氏
 産産連携。さきほど伊藤先生から、ユニクロのフリースは東レとの共同開発という話しがった。が基本特許はユニクロが単独で出願している。産産連携では、契約が重要となるが、当センターでは契約についての相談体制も整えている。
 産学連携。大学は取り付きにくいと考えている人が多いと思う。が大学単独の出願、大学と企業の共同出願も大幅に増加している。当センターでは、産学連携についても支援体制を整えている。


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■クロスセッション [1] 徹底討論 中小企業が不況を生き抜く処方箋「海外進出編」(15:30~16:30)
 登壇者は、パネリストとして、加藤忠郎氏(日進精機株式会社取締役相談役)、吉田芳春氏(日本弁理士会関東支部支部長)、村井雅氏(東京都知的財産総合センター相談員)、モデレータとして上野裕子氏(前掲)。

●加藤氏
 (ホットニュースと題して)世界同時不況進行とともに海外工場での見積もり依頼が増えている、製造拠点を海外に移す動きがさらに活発化している。
 総務省「事業所・企業統計調査」再編加工によると、海外に子会社または関連会社を持つ中小企業は、1996年→2006年で製造業では24.2%増加、非製造業で61.5%の増加。
 日進精機株式会社の概要紹介。金型、パイプベンダー。例として、順送プレス金型、順送絞り加工のスケルトン、リフレクター製品、三角提示表示板、リフレクターの金型と六角ピン、CNCパイプベンダー、等。産学連携による製品あり。

 初の海外工場はタイで1994年(操業開始は翌年)。順送プレス型の技術移転は樹脂型に比べると難。日本人とを駐在させることにより日本と同じ品質の製品生産を確保した。
 タイに進出した動機。呼ばれて進出したわけではなく当初は仕事少なかったがそれが幸いした。人件費ではなく将来の需要を見越して決断。金型事業の進出は事業としては危険、プレス加工で日銭を稼ぎながら金型も作る体制が上策。

 第2の海外工場はフィリピン、2001年12月現地会社設立で翌年2002年12月操業開始。進出決定は候補地のベトナム、中国などを消去法で選定した結果。
 フィリピンの優位性。アメリカの残した教育制度で教育水準が高い。低学歴でも英語が使える。国内に仕事が少なく出稼ぎが多い。大卒の技術者、管理者は中国より人件費が安い。
 フィリピン工場の現状。現地の日系企業へのプレス製品供給がメイン。将来はタイ工場のように順送プレス金型も考えている。現在は日本で制作している金型の構成部分の機械加工と設計者の養成を行っている。

 教訓。タイは現地合弁→フィリピンは100%出資。海外でも差別化できる仕事をやること、フィリピン→中国→ベトナム移転の同業者有り。

 中国への進出、2004年7月からプレス工場、現在は2箇所。進出動機は中国のお客様の強い要望、カントリーリスクの軽減、日本の同業企業との合弁。

 ヨーロッパへの進出の動機。CNCパイプベンダーの生産コスト低減、GEマークの認証問題等。 現地への再選委託など。

 全体的な海外進出の動機。金型ではジョブホッピングが問題であるため、途上国の誘いを断り続けていたが、タイへの進出を決断。海外の人件費が安いからではなく、需要が現地にあるから。海外進出というよりグローバルな見方が大切。
 海外進出のメリット。国内では仕事がない。海外に工場があることによって将来移管を考えての依頼がある。日本人がついていれば日本と同世の品質はできる。人材が育つ、24時間稼動、減価償却費節減等。
 海外進出で大事なこと。海外には1級の社員を派遣。極力投資。海外でも差別化できるものを。日本の空洞化と生産技術の喪失も考慮。
 差別化できるものがあれば思い切って海外に出るべき。人材、人事は悩むが、国や自治体のコンサル事業を活用することも重要。案ずるより生むが易し。

 知財について。開発製品も多く特許を所有。海外特許は経費の点から最小限に絞った。さきほどの東京都の助成事業はうらやましい。自治体や公的団体の助成、奨励事業を活用してほしい。

●上野氏、村井氏から知財活用について若干のコメント有り。

●加藤氏
 特許出願は公開につながる、特許として活用できるものとノウハウとして秘密にすべきものを峻別することが必要。またキーポイントは日本人技術者にとどめる。

●上野氏
 海外での特許取得について、助成金等を使うとしてもやはりある程度の費用がかかる。選別の具体的な手法はないか。

●吉田氏
 中小企業の海外特許出願は費用の問題が常につきまとうことから選別は必要。3つの段階に応じて選別することになると思う。
 第一段階として海外との接触があるけれどそれほどではない、たまに商談がくる程度。第二段階として自分の向上は出さないが商品を輸出したりライセンス契約を結んでいるケース。第三段階は現地に工場がある段階。
 第一段階の企業は、技術分野等にもよるが基本的に海外出願は慎重にすべき。出願したが結局必要はないということで取りやめることが多い。判断の時期としては日本で出願して2年程度で海外に出れる製品でなければやめた方がいい。
 第二段階の企業は、技術されないように、パテントマップから装置構成を工夫して出願する。最初からこの技術をどこで使うかを考えてパテントマップを作り、模倣されない最低限の範囲を出願する。
 第三段階の機魚は、加藤氏の言うとおり、特許を出願するものとノウハウとして保護すべきものを組み合わせるべきだろう。

●上野氏
 海外での特許出願について、弁理士の活用はどのようにすべきか?

●吉田氏
 日本弁理士会は、国際活動センター、産業競争力委員会で海外調査研究を行い、海外に強い弁理士が多数。外国に事務所を持っていたり、外国弁理士事務所と提携している事務所もある。相談、依頼時に海外対応についても聞いて欲しい。

●上野氏
 東京都知財総合センターでは弁理士への相談、マッチングもあるとのことなのでそれらを活用するのもいいだろう。

●上野氏
 このパートでの話として、海外進出の際には、特許出願をして守るもの、ノウハウとして守るもの、またノウハウとして守るべきものは日本人技術者にとどめる、複数の特許を組み合わせる等々のポイントが伺えたと思う。

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■クロスセッション[2]徹底討論中小企業が不況を生き抜く処方箋「産産連携・産学連携編」。
 登壇者は、櫻井武志氏(東京ブラインド工業株式会社代表取締役社長)、福永伸朋氏(東京都知的財産総合センター相談員)、吉田氏、上野氏は(前掲)。

●櫻井氏
 東京ブラインド工業株式会社の概要、主要製品の概要についてのご紹介。
 約8年前から吸音フェルト材による吸音ブラインド・カーテンを開発。しかし、インテリア性が乏しかったことから、連携企業のカーテン生地でカバー加工し製品化。関東経産局から新連携事業認定を受けた。
 連携体としては、自社ともう1社をコアとして、音楽大学、出版編集部、政策金融公庫、販売会社などであった。
 *ここで櫻井氏がブラインドの特徴、技術内容をいろいろと話されたのですが、正直よく中身がわからずメモできていません。

 連携の背景・動機。ブラインド工業は4社のうち、当社を除く3社でシェア95%、上位2で80%という独占状態。自分が2代目として会社を継いだ頃、「東京ブラインドってなんなの?」という扱いを受けた。
 生き残るための商品差別化、ニッチのオンリーワン商品が必要で生き残るブランド戦略が必要だった。
 自社で何ができるか何が特徴なのかの把握、海外の展示会等で世界と日本の相違点を見て、お客様がどのような商品・サービスを求めているのかを常日頃から考えるようにした。

 連携によって活路を開いたこと。住宅着工件数が減っており、大手による製造原価に近い低価格受注が常態化。中小企業ならではの特徴、スピード勝負。大手は手を出さない小さな分野、そこでうちを指名してくれるところがある。
 連携のメリット。ブラインド、ついたての自社技術だけではできない商品開発を他社、15社くらいと連携して開発できる。また、うちがもっていない販売ルート、数字的にはまだ厳しいが、活用することも可能。

 苦労する点。今までにない製品なのでそれを説明することが大変、多分30年前に現在の携帯電話を説明しても理解してもらえないのと一緒。
 どこどこに入れた等の実績がない点。連携企業の経営者は私もそうだが個性的派が多く関係の作り方。開発費等でのお金を説明する必要。
 失敗した事例。アコーディオンスクリーンの開発である程度特許を押さえて出したには出したが、売れる頃、発売して10年くらいして特許の隙間を突かれて大手に類似品を出されてしまった。
 ネーミングに関しても「アコーディオンスクリーン」は商標を取らず一般名称になってしまった。特許は20年だが、商標は永続的に使えるので手当てしておくべきだった。
 課題。私一人常態なので人材育成、営業力強化、お客様に理解してもらえる商品説明、知的財産権への取り組みもまだまた。秘密保持契約等も含めて、東京都中小企業振興公社・東京都知的財産総合センターへの相談を活用している。

 本日参加者へのアドバイス。商品は受注競争の少ないオンリーワンの確率。お客様視点でのメンテナンスサービス。知的財産権を意識した商品開発、経営。
 知的財産に関しては、私自身もたくさん「授業料」を払った。大手企業に負けない競争力を持つために日頃から知財を意識することが必要。特許は取得するのに時間がかかる点も含めて考える必要がある。
 産産連携・産学連携は、絶対100%うまくいくとは限らないが、一歩踏み出して取り組むことが必要。また中小企業の特長を生かして経営責任者の先延ばしにせずに早い決断でコトを進めることが必要。
 公的機関について、国、都、区等が縦割りで動いている面がある。東京都は充実しているが、国や区、中小機構等の無料サービスを多く提供しているのでそれをうまく利用すること。

●上野氏から櫻井氏の講演内容の総括

●上野氏
 連携、共同開発、特許出願の際に留意すべき点について吉田氏に伺いたい。

●吉田氏
 基本的な技術・製造方法等は、共同出願ではなく、単独出願にする必要がある。共同にしてしまうとそれぞれが実施できるため競争力が落ちる。
 具体的な製法ができる局面、改良については、共同出願は狭く、単独出願は広くするのが原則。
 昔の失敗事例。うちのお客さんと大手企業さんの共同出願で、権利を広く取った。その後、大手企業が製品化してヒットした。うちのお客さんが他社と組もうとしてその特許に抵触してできなかった。共同でやるのはせまくが基本。
 最終製品ができたら、意匠等も活用する。
 出願する順番。共同開発の提案をする前に自分で基本出願をすることが基本。ベストモード、ベターモード、コピーモードに留意する。
 連携の提案をする際、大学相手でも企業相手でも、最初に進め方について書面を出す。

 中小企業が連携相手と話をする場合は、一人では行かない。必ずもう一人連れて行って書記に専念させ、会議終了後に双方サインする、その場が無理なら遅くても翌日の午前中。電子タイムスタンプ等で日付を証明すれば完璧。

 連携先、大手と共同で出願する段階。その段階でも相手には特許を書かせない、大手は広く書く傾向がある。必ず「ウチで書きます」と言うことが大切、そして顧問の先生に狭く書いてもらう。
 連携先大手は狭く書いたものを広くしようと修正してくるかもしれないが、広く書かれたものを狭く直すよりはベターである。

 発明者はなるべく多く。発明者でない者を入れることは無理だが、認定できる範囲は多く入れた方がいい。大手に納品する場合、大手の責任者層、決定権者が発明者として入っていた方がよい。
 連携先が大学の場合。発明者に大学生や院生を入れるのはモチベーションの点でよいが、ライバル会社がその院生等を採用する等で問題になることがある。痛し痒し。

●上野氏
 産産連携・産学連携における契約の留意点等について、福永氏に伺いたい。

●福永氏
 吉田氏の特許出願等に関する話と重複する点があるが、中小企業がオンリーワンになるため知財面ではいくつか留意点がある。
 連携と知財戦略。まず1点目は先程も出ていた特許orノウハウの点。
 2点目は権利の帰属、知財センターへの相談でも非常に多い、大手に帰属するか?、大学に帰属するか?。これは契約で決めること。お金を出す方が権利を持つということにはならない、あくまでも交渉事。
 3点目は実施の問題。他の競争相手も使えるのでは困る。大学相手の場合は大学自身が実施することはないが他社が自由に使えることのないように押さえる必要がある。
 4点目は成果の公表、これも相談事例が多い。産学連携の場合、大学の使命=研究成果の公表について、契約で権利取得に障害とならないよう調整が必要である。
 5点目は営業秘密管理、最近特に問題となっている、ノウハウは秘密管理の必要がある。昨年4月の不正競争防止法改正、先週の営業秘密管理指針改訂版は中小企業向けにチェックシート等もあり、ぜひ見て欲しい。
 6点目はさきほど吉田氏からも指摘があった産学連携における学生研究者の秘密保持等。これも契約できちんと押さえる必要がある。
 東京都知的財産総合センターでは、これらの契約上の問題についても相談に応じているので、ぜひ活用して欲しい。

●上野氏:
 連携には多くのメリットがあるが、共同開発、共同出願、秘密保持等について留意事項が多くあることがわかった。櫻井氏がさきほど「アコーディオンスクリーン」で失敗事例を出されていたが回避できた事例を伺いたい。

●櫻井氏
 ある大手企業にブラインドの新デザイン商品を見せたところ、1ヶ月くらいしたらそれと似たようなものをその大手企業がショールームに並べていた。それは意匠登録済みであることを伝えたところ、すぐに撤収された。
 意匠登録をする前に見せていたら、今頃は大手企業が自社製品としてそれを売っていただろう。よいものを考えたらそれを誰かに見せる前に弁理士なり知財センターなりに相談することが大切。

●上野氏
 今の櫻井氏の事例。その大手企業とは取引があったという点で、それは困ると言うのは非常に勇気が必要だったと思う。
 東京都知的財産総合センターのメリット。生島所長に伺った話で「東京都知的財産総合センターには大手企業OBの相談員が多くいる。そこに相談していると言うと逆らえなくなる」というのがあった。

●上野氏
 東京都知的財産総合センター等の公的な支援制度をうまく活用している中小企業が少ないという印象を受けるが。

●櫻井氏:
 私は中小企業基盤整備機構もよく使っている。毎月通っているが、本来はそこでの弁護士による相談などは本来は結構いい相談料が必要だと思う。税金を払っているのだから、ぜひ公的サービスを利用して欲しい。

●上野氏:
 本日ホールに各種公的支援のパンフレットを用意している。また18時30分まで東京都知的財産総合センター、日本弁理士会関東支部による相談も行っているので、ぜひ活用して欲しい。

●*17時30分終了。

以上
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