« 知的財産権に関する助成金情報(日本弁理士会関東支部) | トップページ | 韓国の電子図書館法制―「IT大国」の図書館法と著作権法(国立国会図書館「外国の立法」) »

2009/12/10

社員5人の世界的町工場・岡野工業の特許戦略(「カネは後からついてくる!」から)

いかにも町工場の職人風の著者:岡野雅行氏(岡野工業代表社員)の強烈な笑顔が表紙の「カネは後からついてくる!」。

岡野工業は社員5名の町工場であるが、その技術力の高さから、NASAや世界的大企業からの仕事が舞い込むという。その技術は特許等で守られているのかに興味が沸くが、本書は、「はじめに」と最後の方に「大メーカーと共同で特許を取るもうひとつのワケ」でこの点について記している。

・「特許さえとればこっちのもの」は大きな勘違い。特許を個人でとっても侵害対策にはならない。
・大企業と組んで取ることにより、バカにならない特許の費用も大企業持ちにでき、大企業の名前が侵害抑制になり、侵害された場合の対応もすばやい。
・肝心なのは、世界中で見られている特許書類に、トヨタやテルモとともに対等に岡野工業の名前が並ぶ、このPR効果。

おおむね、このような内容であり、IPDLでざっと見たところ、確かに、岡野工業の特許出願は、大企業との共同出願が大部分である。

本書は「世界一の職人が教える仕事の哲学」であり、技術と経営にまつわるカネ、情報、人について、著者の知識と経験に基づいて、ざっくばらんに記されている。本来は個人出願であっても特許権が有効に機能することが望ましいが、本書を一通り読むと、この独自の特許戦略が、同社にとって最大の効果を生んでいることが理解できる。(いや、ホントに面白く、共感できる本です)

「カネは後からついてくる!」 岡野雅行 (←リンクはAmazon)
 青春出版社 2009/10/15第1刷
 ISBN978-4413037280 \1,280+消費税

|

« 知的財産権に関する助成金情報(日本弁理士会関東支部) | トップページ | 韓国の電子図書館法制―「IT大国」の図書館法と著作権法(国立国会図書館「外国の立法」) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13284/46981664

この記事へのトラックバック一覧です: 社員5人の世界的町工場・岡野工業の特許戦略(「カネは後からついてくる!」から):

« 知的財産権に関する助成金情報(日本弁理士会関東支部) | トップページ | 韓国の電子図書館法制―「IT大国」の図書館法と著作権法(国立国会図書館「外国の立法」) »