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2009/08/20

経済産業省「イノベーション力を強化する産業技術政策の在り方」産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会中間報告を公表

2009年8月19日、経済産業省は、産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会(小委員長:木村孟前大学評価・学位授与機構長)による「イノベーション力を強化する産業技術政策の在り方(中間報告)~出口を見据えた競争と協調~」を公表した。

中間報告では、我が国の研究開発システムは研究開発投資の冷え込み(景気循環要因)と出口を見据えた研究開発を行うシステムの弱さ(構造的要因)という二つの危機要因に直面しているとの認識の下、危機を克服し、イノベーションを経済成長のエンジンとするため、低炭素社会や安全安心社会の実現などの、課題解決型の国家技術戦略への転換などを提言している。
取り組むべき具体的政策として、(1)研究開発投資の維持・強化、(2)出口を見据えた国家技術戦略への転換、(3)出口を見据えた研究開発システムの強化、(4)出口を見据えた研究開発システムを支える人材育成、ベンチャー、地域等、(5)イノベーションと社会ニーズとの好循環の強化、が提示されている。

知的財産権については、その保護の必要性が従来にも増して高まっている一方で、知的財産権が他者との協働の中で積極的に活用されることによって新しい価値を創造・拡大させるということの戦略的な重要性が増しているとの認識を示し、「他者に利用させない(排他性)」というコンセプトで作られた知的財産権制度について、他者の侵害を防ぐという観点を引き続き考慮しつつ、また国際的な動向も踏まえて、「円滑に活用させる」という観点からの検討も進めることが必要であるとしている。具体的な提言として、以下を掲げている。

(1) 例えば、欧州の一部で導入されている、特許権の内容についてオプションを認め、差し止め請求権を一定の条件の下に事前に放棄することを宣言する特許等(License of right)や、技術要素間の結合が特定の企業等の情報独占によって阻害されることを防ぐために一定の相互接続性に関する技術に関する知財権については制度の運用等を一部変えることなど、欧米の制度や議論も踏まえつつその是非を含め検討すること。
(2) 制度の見直しだけでなく、たとえば、パテントコモンズ、パテントプールと言われる、特許権を一定条件の下に誰にでも自由に使わせるような仕組みなど産業界を中心とする自主的な取り組みを促進していくこと。
(3) 多くのプレイヤーによる主導権争いの中では、知的財産権についても何をオープンにし何をクローズドにするかの戦略的組み合わせが重要であることから、新しいイノベーションモデルにおいて、事業者等が機動的にその組み合わせを構想し実行できる環境を整えること。


◆「イノベーション力を強化する産業技術政策の在り方」~産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会中間報告の公表~
http://www.meti.go.jp/press/20090819002/20090819002.html

◆産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会中間報告(案)意見募集に対する結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=595209018&OBJCD=&GROUP=

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